≡☆ 西伊豆・堂ヶ島 ☆≡
 

ちょっとネタが古いのですが、西伊豆の堂ヶ島を紹介してみますね。観光地として知られる伊豆半島ですが、東側に多くの施設やスポットが集まる中で、西伊豆最大の観光ポイントとされるのがこの堂ヶ島なの。天然記念物の天窓洞やトンボロ現象で知られる三四郎島の他にも、ピアドーム天窓や加山雄三ミュージアムなどの観光施設も出来て、らんの里・堂ヶ島には艶やかなカトレアなどが一年中咲き誇るの。補:一部の画像は拡大表示が可能よ。見分け方はカ〜ンタン。

西伊豆・堂ヶ島

その西伊豆最大の観光地とされる堂ヶ島も、そのアプローチとなると車を利用する方なら未だしも、公共の交通手段に頼る身にはちょっと不便ね。地理的には修善寺駅から東海バスを利用して南下するのが自然な気がしますが、列車の運行ダイヤの兼ね合いもあって、伊豆急の蓮台寺駅から婆娑羅峠を越える路線バスを利用してみました。便数は限られますが 東海バス では新幹線のダイヤに合わせて三島駅からの特急バスも運行していますので、選択肢の一つに挙げてみてもいいかも知れないわね。

1.堂ヶ島洞窟遊覧船 どうがしまどうくつゆうらんせん

天窓洞 さて、その堂ヶ島と云えば真っ先に思い浮かべるのが洞窟の天井が空へぽっかりと口を開けた天窓洞ではないかしら。先ずは 堂ヶ島マリン の洞窟めぐり遊覧船に乗船して沖合いに浮かぶ三四郎島などを眺め、お目当ての洞内を見学しましょうね。残念ながら乗船時は満員御礼状態で、オマケに記念写真しか手許に無くて。なので頂いてきたパンフからの転載画像でお許し下さいね。乗船料:¥1,100 所要時間:約20分 随時運航

2.ピアドーム天窓 ぴあどーむてんそう

ドームシアター ドームシアター

自然の不思議な造形に触れたところで、桟橋近くに建つビジターセンターを訪ねました。ピアドーム天窓と名付けられているように、館内にあるドームシアターではヘリからの空撮画像を使い、空からの伊豆の海岸線美を体験出来るようになっているの。スピード感もさることながら、空中を浮遊する感覚はヘリならではのものね。入館料:¥900 上映時間:毎時00/30分開始 約20分所要

ピアドーム天窓

富士山の山頂上空に静止していると、いきなり風に煽られて機体が大きく揺らぐと見ている方も思わず力が入ってしまうの。ちょっと顔が引き攣る瞬間ね。ですが、見終えた後には実際にヘリに搭乗して追体験してみたくなりますよ、きっと。館内はそのドームシアターの他にも、縄文・弥生時代の遺跡からの出土品や北条水軍と武田水軍の戦闘を描いたジオラマなどを展示した歴史コーナー、伊豆で活躍されている工芸家達の作品を集めた「伊豆の匠」コーナーなどが設けられ、ここでは西伊豆の自然は勿論、文化・歴史を知る施設になっているの。館内にはカフェテリアもあるので、上映時間までの待ち合わせにも便利ね。

3.天窓洞遊歩道 てんそうどうゆうほどう

遊歩道 ピアドーム天窓の建物のある場所から背後は遊歩道が巡らされているの。時間があれば是非歩いてみることをお薦めします。船上からとは違い、また違う景観が楽しめますよ。左端は仁科・松崎方面を望んでみたところですが、以前にはこの堂ヶ島から松崎を経て波勝崎へ向かう遊覧船もあったのですが、運航を止めてしまったみたいね。

堂ヶ島マリン に依ると、千貫門クルーズとして形を変えて運行を再開しているみたいね。
But 当時は波勝崎での下船が出来たのですが、現在は海上遊覧ですので下船は出来ないようね。

天窓洞 遊覧船で見上げた天窓洞を上から眺め下ろすことも出来るの。遊覧船が洞内に現れるのを暫く待って見たのですが一向に現れなくて、代わりに記念写真ばかりになってしまいました。なので同じく頂戴したパンフからの転載画像でお許し下さいね。周囲は柵で囲まれていますので堕ちる心配は無いと思いますが、覗き込む際には気を付けて下さいね。

左掲はその天窓洞を東側の入口から覗いてみたものですが、波打ち際からでは何も見えないの。天窓洞にはこの入口と遊覧船が入る入口の他に、もう一つあると云うのですが、何処かは分かりませんでした。地元の云い伝えでは天窓洞の支洞に頼朝穴と呼ばれる洞窟があり、怪僧・文覚上人が伊豆に配流されていた頼朝に、父・義朝の髑髏を見せて平家打倒の挙兵を誓わせた場所だと云われているの。その支洞は鎌倉まで続いていると伝えられ、平家方の探索から逃れ来た頼朝は、その支洞に鎌倉宛の密書を投げ込んだ−などと、まことしやかな逸話も語り継がれているの。

4.らんの里・堂ヶ島 らんのさと・どうがしま

御案内する らんの里・堂ヶ島 ですが、残念ながら ′13.07.31 を以て閉園になってしまったの。
ここではξ^_^ξが訪ねたときのこととして御了承下さいね。m(_ _)m

らんの里 天窓洞のある亀島とR136を間にしてあるのが らんの里・堂ヶ島 なの。敷地面積は公園部だけでも何と89,500m²と云うのですから、東京ドーム約2個分の広さ。余りにも広すぎてピンと来ませんが、お出掛けの際にその広さを実感してみて下さいね。その広い園内にはカトレヤ、胡蝶蘭などを展示した観賞温室5棟の他にも、季節毎の花が咲き乱れる屋外花壇などが、堂ヶ島を見下ろす小高い丘一面に造られているの。ガイドマップでは所要時間を一時間以上と記しますが、とても一時間程度では足りないわね。入園料:¥1,300 年中無休

屋外の花木は別にして、蘭だけに限定して見ようとしてもその種類は8,000種を優に超え、常時8,000鉢の花が見られると云うのですから桁違いよね。訪ねたのはお正月と云うことで、らんの里がフラワーアレンジメントすると、とりわけ豪華な門松となるわね。ピンク色した艶やかなカトレヤが咲き誇る中で、清楚な佇まいを見せていたのがプリンセス・キコ ”ほほえみ”と名付けられたこのカトレアなの。勿論、紀子さまに因む命名ね。

カトレア カトレア カトレア カトレア

マーガレット マーガレット

上の右側2枚は屋外に設けられたマーガレット畑を写したものですが、寒い季節にも関わらず花の絶えない園地になっているの。その他にも御覧のような色とりどりのシクラメンが園内を彩っていました。

シクラメン シクラメン シクラメン シクラメン

三四郎島

その屋外園地からは天窓洞のある亀島や、堂ヶ島のシンボルとされる三四郎島を見下ろすことも出来、絶景のビューポイントにもなっているの。掲載画像では下側が隠れてしまっているので分からないのですが、天窓洞のある亀島が、何故そう呼ばれるようになったのかが一目瞭然よ。「伊豆の松島」とも形容される堂ヶ島の景観ですが、中でも瀬浜海岸に浮かぶ三四郎島は、珍しいトンボロ現象が起こる島として知られているの。陸地側から象島、中の島、高島の小さな島が並び、ホントは中の島を三四郎島と呼ぶのですが、普通は三四郎島と云えば三島を纏めた呼称なの。

その三四郎島が干潮時には砂洲が現れて陸地と地続きとなり、歩いて渡れるようになるの。それがトンボロ現象と呼ばれるもので、天然記念物に指定されているの。けれど歩いて渡るにはやはりかなりの退潮がないと無理なようで、大潮の時を選ばないと難しいみたいね。二、三度堂ヶ島を訪ねたことがありますが、幾れも体験出来ずに終えています。洞くつめぐり遊覧船の 堂ヶ島マリン に潮見表が掲載されていますので、参考にしてお出掛けされてみてはいかが?その三四郎島にはちょっと悲しい恋物語も伝えられているの。

とんとむか〜し昔のことじゃが、源頼朝が伊豆の蛭ヶ小島に流されておった頃のことじゃ。名前はよう分からんのじゃが【伊豆の三四郎】と呼ばれる若武者が平家の追手から逃れるようにしてこの三四郎島に隠れ棲んでおったそうじゃ。都では頼朝に仕える家来じゃったようじゃのお。ところでのお、こん堂ヶ島の隣の仁科と云う村には瀬尾行信と云う豪族がおってのお、三四郎の存在には気付いておったんじゃが取り立てて悪さするわけでもないんで見て見ぬ振りをしておったようじゃのお。その行信には小雪と云う年頃の一人娘がおったんじゃが、ある日三四郎の姿を見掛けた小雪は恋心を寄せるようになったそうじゃ。そうしていつしか二人は恋仲となり、小雪は引き潮の時間を見計らうと島へ渡り、逢瀬を重ねておったそうじゃ。

そんなある日のことじゃった。頼朝の挙兵が伊豆の各地に伝えられると瀬尾行信の許にも参陣を促す書状が届けられたのじゃ。それを知った小雪も小躍りしてのお、一刻も速くそのことを三四郎に知らせようと屋敷を飛び出して島へ向こうたのじゃ。ところが生憎の上げ潮でのお。それでも愛する三四郎に直ぐにでも伝えたいと思った小雪は意を決して波間に足を踏み入れたのじゃ。最初は潮の流れにも何とか耐えておったのじゃが中程に来た時のことじゃった。大きな波が小雪に襲いかかったと思うたら、その小さな身体は潮にのまれてそのまま姿を消してしまったそうじゃ。それからと云うもの、誰云うとなくこの浜を瀬浜と呼ぶようになったそうじゃ。愛する三四郎のために懸命に渡ろうとした小雪の想いが伝わってくるようじゃのお。

ちょっと悲しい恋物語を以て語られる三四郎島ですが、今では引き潮時に現れた砂洲を二人で手を取り合って渡れば、必ずや結ばれるとハッピー・エンドの物語になっていますので御安心下さいね。紹介の序でに、堂ヶ島に纏わる説話をもう一つお届けしてみますね。

堂ヶ島北側の高みに薬師堂がひっそりと建ちますが、奈良時代に行基菩薩が阿弥陀・釈迦・薬師如来の三尊像を祀ったことに始まると伝えられているの。さすがにそれは後世に付与されたもので眉唾ものでしょうが、現存する三尊像は文禄3年(1594)の造立とされ、33年に一度開扉されると云う秘仏になっているの。その薬師堂が建つ辺りは昔は深い谷間で通行の利便のために舟板で造られた橋が架けられていたの。今ではその面影さえも残されてはいないのですが、ゆるぎ橋と呼ばれ、心良からぬ者が渡ろうとすると、必ず揺れると云われていたの。そのゆるぎ橋に纏わる逸話なの。

昔、この堂ヶ島には沖合いを通行する船や近在の村人達を襲っては金品を奪う海賊達がいたの。その頭領だったのが墨丸(黒麻呂とも)なの。ある日のこと、村長(むらおさ)の屋敷を襲い金銭を奪った海賊達が根城に戻ろうと橋を渡っていた時のことなの。橋の中程に来ると急に大きく揺れ始め、海賊達は皆んな谷間に振り落とされてしまったの。ところが頭目の墨丸だけは足が橋に引っ掛かったと思ったら誰かに襟首を掴まれて薬師堂の前に投げ飛ばされたの。気が付けばそこには薬師さまが堂の中からお出ましになっていたの。そうして薬師さまは墨丸に日頃の悪行を戒め善行を諭したの。そうして前非を悔い改めた墨丸は薬師堂の堂守となり余生を過ごしたと云うの。それからと云うもの、心良からぬ者が渡ろうとすると必ず揺れると、誰云うとなくゆるぎ橋と呼ぶようになり、この木橋の切れ端を囲炉裏に焼べて燃やすと、不思議に子供の夜泣きが治るとも云われるようになったの。

異説では、東下して来た崇神天皇がこの地を訪ねた際に桧の枝が衣に引っ掛かり、その枝を手折って土に挿したところ、後に大きな樹となり、そんな縁など忘れてしまった村人がその木を切り倒して作ったのがゆるぎ橋とする説話もあるの。崇神天皇の来訪理由と云うのが、献上された大きな木造船に由来するのですが、記紀にも伊豆地方で産出する木材で造られた舟は船脚が速くて優秀なことが記されているの。海賊達が根城にしたのも頷けるわね。

残念ながら未体験で終えていますが、ショップ&レストランのヴィヴィコースト堂ヶ島の建物3Fには加山雄三さんに因む記念館があるの。その名もずばり 加山雄三ミュージアム よ。出演映画のパネル展示の他にも、絵画や作曲など多才振りを発揮される加山さんの作品が数多く展示されているの。詳しくは同サイトを御参照下さいね。

5.沢田公園 さわだこうえん

露天風呂 さて、陽も傾きかけたところで向かった先が民宿が多く集まる沢田地区。観光施設の集まる堂ヶ島の中心地を離れ、乗浜海岸沿いに続く民宿街を抜けると、小さな仁科灯台が建つ岩山が見えて来るの。仁科漁港を取り囲むようにしてある岬には、遊歩道が設けられるなど、公園として整備されていますが、その一角に造られているのが沢田公園露天風呂。海面から2,30m程の断崖上に造られた湯船からは、堂ヶ島のシンボル的な存在の三四郎島を望むことも出来、潮風を受けながらの野趣溢れる入浴が楽しめるの。日中の入浴も勿論OKですが、近くを通り行く小船などもあって、ちょっと勇気が必要かもネ。一度に2,3人も浸かれば満員御礼になってしまう程の小さな湯船ですが、男女別に分けられていますので御心配なく。間を仕切るのは板塀だけと至って簡素な造りですので、沈み行く夕陽を見ながら彼と板塀を挟んで混浴気分を味わってみてはいかがかしら(笑)。御利用に際しては、駐車場にある入浴受付小屋で入浴料¥500をお支払い下さいね。因みに、この露天風呂は西伊豆町観光協会が運営しているの。なので堂ヶ島温泉や仁科漁港周辺の民宿街にお泊まりの方なら¥300で利用することが出来るの。その場合には、先に宿へ手荷物を預けるなど、宿泊の受付を済ませて割引入浴券をお買い求めの上でお出掛け下さいね。

夕景 実は、沢田地区への宿泊を決めた理由の一つが、この沢田公園の露天風呂への体験入浴なの。潮風を頬に受けながら、湯船の中から沈み行く夕景を見るのも素敵よ。その夕景を堪能出来たところで今宵の宿へと戻りました。沢田公園露天風呂の詳しい情報は 西伊豆町 を御参照下さいね。公共施設のご案内》》》沢田公園露天風呂と、リンクを辿ってみて下さいね。

6.今宵の宿 こよいのやど

伊勢えび 昭和37年(1962)に温泉が発掘されて以来、堂ヶ島温泉として大型の宿泊施設も充実する堂ヶ島ですが、南側の乗浜海岸から仁科漁港にかけては民宿街が続いているの。自前で漁船を持つ宿やおかみさんが海女をつとめる宿などもあって、新鮮な海の幸には折り紙つきよ。オマケに宿泊料金もリーズナブルなのですから泊まらない手はないわね。ちょっと残酷な気もしますが、伊勢海老のお造りなどは髭が未だ動いているの。勿論、舟盛りの真鯛にしてもお頭付きの”キトキト”ものよ。

7.マーガレット・ライン

身も心も充分に堂ヶ島の魅力を堪能したところで帰路に就くことにしましたが、目先を変えて伊豆急・下田駅まではマーガレットラインを通り、雲見・子浦を経て下賀茂から北上する路線バスに乗車してみました。入り組んだ海岸線と、富士の眺めが美しいマーガレットラインはその名が示すように、狭い傾斜地にマーガレットが数多く栽培されているの。白い可憐な花を咲かせるのが1、2月の寒い時期のことで、海岸美と共に、その姿を車窓から眺めながらのバス旅も素敵よ。ですが、堂ヶ島からは一日二便しか運行されてませんし、所要時間にしても一時間40分程掛かるの。なので、時間に余裕がある方でもない限りはお薦め出来ないの。もっともξ^_^ξが乗車した時でも、下田まで利用した方はξ^_^ξ達の他には誰一人もいらっしゃいませんでしたね。

8.爪木崎 つめきざき

スイセン 予約した上り列車の発車時刻迄には大分時間がありましたので、スイセンまつりの案内につられて爪木崎を訪ねてみました。風を避けるようにして、岬の北側にスイセンが自生しているの。ここでは一足先に早い春の訪れを知ることが出来るの。スイセンの数も何と200万株を超えると云うのですから大群落よね。そこまで多いとナルシズムに浸っている余裕は無いかも知れないわね(笑)。

スイセン 因みに、スイセンまつりは例年12/20頃から1月下旬頃に開催され、期間中には各種イベントが行われ、無料の「いけんだに味噌」が振る舞われたりします。美味しそうな匂いが潮風にのって漂って来たら直ぐにお並び下さいね。その昔、気付いて慌てて並んだ時には既に遅しで、頂いたお椀の中の具はダイコンだけだったの。香りからすると確かに蟹やお魚も入っていたハズなのですが。(笑)


数多くの観光施設がある東伊豆に比べ、その利便性からでしょうか、西伊豆は取り上げられる機会も少ないような気がしますね。今回はその西伊豆でも一番人気の堂ヶ島を紹介してみましたが、決してその魅力の全てをお伝え出来た訳ではありません。三四郎島のトンボロ現象をこの目にすることなく今日に至っているのはとても残念ね。堂ヶ島でも大型の観光施設が出来て観光客の目を引きつけていますが、個人的には沢田公園にある露天風呂から眺めた夕景が一番の思い出ね。その露天風呂も出来た当初は番小屋はおろか脱衣所も無い全天候型の施設だったみたい。当然の如く板囲いも無い状態の解放感溢れる露天風呂だったようで、男女混浴と云うか、入りたい人は勝手にどうぞ−と云うことで、混浴云々の区別さえも無かったようね。それがTVの旅番組で紹介されてすっかり有名になってしまい、今日の姿になったみたい。出来た当時にタイムスリップして入浴してみたい気もするわね。それこそタイムトラベルね。それでは、あなたの旅も素敵でありますように‥‥‥

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どこにもいけないわ