あやめと云えば関東近県では水郷潮来が有名ですが、そこまで遠出をしなくても、さいたま市にある染谷しょうぶ園は比較的規模も大きく、花菖蒲が見頃を迎えていると知り、梅雨の晴れ間を見つけて出掛けてみたの。花菖蒲を愛でた後は氷川神社へも詣でてみたので紹介してみますね。補:一部の画像は拡大表示が可能よ。見分け方はカ〜ンタン。クリックして頂いた方には隠し画像をもれなくプレゼント。(^^;
1. 大宮駅前BS おおみやえきまえ 9:08発 大宮駅東口7番乗場
問題はそのアプローチなの。公共の交通手段に頼らざるを得ない身の上としては電車とバスを乗り継ぎ、あとはひたすら歩くのみなのですが、大宮駅東口からは国際興業バスの(大03系統)染谷折返場行に乗車。But 染谷折返場行のバスは、何と朝夕の一日5本(土日祝日は運休!)のみの運行で、この便を逃すと次は夕方まで無いの。乗り遅れたりしたときには、バスの下車後に少し多めに歩くことになるけど、同じ運行系統のさいたま東営業所行や浦和学院高校行に乗車し、染谷新道BSで下車して下さいね。ξ^_^ξも帰り道にはそうしたのですが、染谷しょうぶ園 ⇔ 染谷新道はξ^_^ξののんびりとした足取りでも20分程の道程でした。尚、追体験される場合には 国際興業バス で運行経路や時刻などの最新情報を忘れずにお確かめの上でお出掛け下さいね。¥300
左掲のパンフを表示するには AcrobatReader が必要なの。インストールが未だの方は左記のサイトからDL〔 無償 〕して下さいね。
2. 染谷中BS そめやなか 9:34着発
国際興業バス側の標柱には見沼天然温泉小春日和入口とも案内されていたの。帰宅後に調べて初めて知ったのですが、BSから歩いて1分足らずの場所に日帰り温泉施設の 見沼天然温泉・小春日和 があるの。花菖蒲を愛でた後にこちらで湯浴みしてから帰るのもいいかも知れないわね。ちょっとした小旅行気分が味わえそうね。
3. 染谷花しょうぶ園 そめやはなしょうぶえん 9:44着 12:20発
入園時に頂いたパンフには、約8,000m²の敷地に300種以上約20,000株もの花菖蒲が植えられ、埼玉県一を誇る花しょうぶ園−と案内されていたの。そして何よりも驚かされたのが、この菖蒲園が個人の手により運営・維持管理されていると云うことなの。園内には八つ橋や四阿なども配されて趣を添え、休憩する椅子なども随所に設けられているの。そのどれもが木などの自然素材を使用する拘りぶりなの。開園は花菖蒲の開花時期に合わせた6/1-6/30迄の僅か一ヶ月間のことですが、咲き終えた花は事前に摘み取った上で来園者に供するなどの念の入れようよ。見学の所要時間は概ね一時間と聞きましたが、それでは駆け足になってしまいそうね。
敷地の北側に東方から入り込む低湿地があった。雨期には周囲の水を集めて沼となり、冬期には凍結して終日溶け出さない。そのため、どんな作物も、植木も生育不良なままに、荒地として打ち捨ててあった。生業である植木の生産販売を営むかたわら、何とかこの土地を有効に利用することはできないものかと苦心していたが、たまたま、花菖蒲の栽培を思いつき、調査を依頼したところ、幸い、好適であるという結果を得た。苗床としての整備をはじめながら各地の先輩達を訪ね、花菖蒲園を見学しているうちに、こんなに美しいものを、苗をふやすためだけ栽培して花を咲きすてにするのは如何にももったいない。
施設のお年寄りや、老人クラブの方々にでも見ていただいたら、さぞ喜んでもらえるのではないか。そして、いろいろな方々に見てもらうならば、いっそう、各地の各菖蒲園のように、池や八つ橋、あずまやなどの施設を整えて本格的な花菖蒲園にしようと思いたった。設計を依頼し、生業の閑な時期を見ては準備を進め、力と知恵のかぎりを打ち込んで、ようやく一応の完成にこぎつけた。市長に趣旨を説明して、園の命名をお願いしたところ、快く承諾されて「染谷花しょうぶ園」という素晴らしい名を頂いた。染谷とは、元来この里の地名であるが、いかにも谷間を紫色に染め上げる花群のあでやかな風情を思いおこさせる。
真に花菖蒲園にふさわしい名だと思う。看板も、市長の揮毫された文字を元にして構成した。施設の材料は全て日本人になじみの深い木や竹を用い、鉄やコンクリートなどの鉱物質の材質は、原則として使用しない。現在、約8,000uの敷地に300種余の名花が美しさを競っているが、将来はもっと面積を増やし、さらに新品種を導入して内容を充実させるとともに、わき水を利用してホタルを飼育したり、四季折々の花木を配してお茶の野立や、歌会や句会、種々のイベントなどにも利用できるよう、年間を通しての市民のオアシスに造り上げて行きたいと願っている。園主
4. 染谷新道BS そめやしんどう 12:44発
帰り際にしょうぶ園を出たところで染谷の地名由来を語る案内板を見つけたの。
片柳歴史散歩コース 地名「染谷」と花しょうぶ園
地名「染谷」は、染屋を職とする人たちが住んでいたことに由来するとの説が有力です。一方次のような言い伝えもあります。その昔この地に住んでいた美しい娘を男たちが見染めたので「見染めヶ谷」というようになり、それがいつの間にか「染谷」になったという伝承です。作物や植木が育ちにくい低湿地帯を活用した花しょうぶ園は、昭和58年に開園しました。以来各地の花しょうぶを集め、300種以上が園内8,000m²の谷間を染尽くし、染谷の新たな地名のイメージを生み出しています。6月一ヵ月間だけ開園され、多くの方が花しょうぶを楽しんでいます。さいたま市教育委員会生涯学習部文化財保護課
時を経て今は花しょうぶが美しい娘になりかわり、艶を競い合っていると云うわけね。
5. 氷川参道BS ひかわさんどう 13:05着発
大宮と云えば氷川神社のお膝元よね。このまま帰途につくには早すぎるわね−と、その氷川神社を訪ねてみたの。埼玉県を中心に都内にも多く鎮座する氷川神社の総社が大宮氷川神社ですが、さすがは元武蔵国一之宮ね。欅並木の立派な参道が延々と続くの。歩き出すときに気付いたのですが、参道は更に南側にも続いていたの。調べてみると一の鳥居はさいたま新都心駅近くにあり、参道の総延長は2kmにも及ぶと云うのですから驚きよね。But 南側の参道は歩道もあるけど車道(!)になっていると云うので、BSから北側の参道を歩くだけで充分かも知れないわね。先づは参拝の前にその参道に立てられていた案内板に記される氷川神社の略縁起から紹介しますね。
氷川神社 所在地 大宮市(現:さいたま市)高鼻町4-1-1
氷川神社は、社記に依ると第5代孝昭天皇の3年(BC477)4月未の日の創立と伝えられる。当神社は、古くから歴朝や武将の尊崇を集めた由緒ある大社としてその歴史を誇っており、「大宮」の地名もこの氷川神社に由来することは衆知の通り※である。古くは景行天皇(71-130)のとき、日本武尊が東征の折当地に足をとめて祈願され、また成務天皇(131-190)のとき、武蔵国造となった兄多毛比命が出雲族を引き連れてこの地に移住し、氷川神社を奉崇したと伝えられる。
※衆知の通り−と云われても。(^^; 何でも、この氷川神社を「大いなる宮居」と称えたことに由来するのだとか。
おっきなお宮があるけん、大宮じゃき、何ぞ文句ばあるとね?−と云ったところね。
その後、聖武天皇(724-749)のとき「武蔵国一の宮」と定められ、ついで称徳天皇の天平神護2年(766)には、朝廷から武蔵国では当社だけに封戸(三戸)が寄進された。更に醍醐天皇の延長5年(927)の「延喜式神明帳」には、名神大社として破格の月次新嘗の社格が与えられている。この他、鎌倉時代には、治承4年(1180)に源頼朝によって社殿の再建と社領3,000貫が 寄進されたと云われ、足利、北条氏も相次いで尊仰した。その後、江戸時代の慶長9年(1604)には、徳川氏より社領300石が寄進され、また、文禄5年(1596)と寛文7年(1667)には社頭の整備と社殿の造営が行われている。
その後、明治元年(1868)東京遷都に際し、当社を武蔵国の総鎮守「勅祭の社」と定められ、明治天皇自ら親拝になった。同4年官幣大社となり、同15年に本殿・拝殿などを改造し、更に昭和15年に本殿・拝殿・回廊などを造り変え、現在の景観となっている。祭神は須佐之男命・稲田姫命・大己貴命。例大祭は8月1日。その他神事の中で特に有名なのが12月10日の大湯祭である。昭和60年(1985)3月 埼玉県・大宮市
6. 氷川神社 ひかわじんじゃ 13:29着 13:51発
明治の御代に至っては明治元年(1868)都を東京に遷され当社を武蔵国の鎮守・勅祭の社と御定めになり天皇御親ら祭儀を執り行われました。 次いで明治4年(1871)には官幣大社に列せられました。昭和9年(1934)昭和天皇御親拝、昭和38年(1963)今上陛下が皇太子時に御参拝になられ、昭和42年(1967)10月、明治天皇御親祭百年大祭が執り行われ社殿、その他の諸建物の修復工事が完成し、10月23日昭和天皇・皇后両陛下御揃いで親しく御参拝になられました。昭和62年(1987)7月には天皇・皇后両陛下(当時皇太子・同妃殿下)が御参拝になられました。
境内案内図に付記されていた由来記と境内社を紹介してみましたが、冒頭に挙げられている門客人(もんきゃくじん)神社とはおかしな名ね。元々は荒脛巾(あらはばき)社と呼ばれていて、在地の産土神が祀られていたみたいね(他にも諸説あり)。産土はうぶすなと訓み、うぶは産なり則ち土なり−と云うことで、生まれた土地に宿る神さまのことなの。新たに武蔵国造となった兄多毛比命が出雲から一族郎党を引き連れて移住して来たことから、守護神としての地位も出雲の神々に奪われてしまったと云うところかしら。なので、本来なら出雲の神々こそ客人神なのですが、主(あるじ)が変わってしまっては仕方ないわね。
荒脛巾社にしてもおかしな名よね。
But ここでは深追いせずに止めておきますね。(^^;
その門客人神社の祭神ですが、現在は足摩乳命・手摩乳命の二柱を充てているの。二神は神さまというよりは、八岐の大蛇神話に登場する奇稲田姫の両親としての方が知られているのではないかしら?八岐の大蛇神話?なあ〜に、それ。そんなの知らないわよ−と云う方は出雲紀行の 八重垣神社 の項を御笑覧下さいね。氷川神社の氷川にしても神話にも出てくる斐伊川に由来するとの説があるみたいね。その氷川神社の祭神は須佐之男命(素戔嗚尊)・稲田姫命・大己貴命の三柱ですが、大蛇退治をした素戔嗚尊が稲田姫と結ばれて産まれたのが大己貴命よね。大己貴命と云うので分からないかも知れませんが、大国主命(おおくにぬしのみこと)のことなの。それなら皆さんもよく御存知よね。
玉砂利が敷き詰められた参道を進むと赤く染められた神橋が見えて来るの。
視線の先には同じく朱色の楼門が木々の間から顔を覗かせてくれるの。
季節毎の開閉門時刻が案内されているので、号鼓は時刻を告げるものではなくて、開閉門時間の合図みたいね。やはり、時間の数だけ叩くのかしら?だとしら30分はどうするの?...(((^_^)
訪ねたときには舞殿&拝殿の右手では白布に囲まれて何やら工事が行われていたのですが、縄文中期から晩期にかけての遺跡があり、社殿の整備事業に先立ち、遺跡の発掘調査をしていたの。そんなに昔からこの地に人が定住していたとは思いもしませんでしたが、縄文期と云えば未だ稲作も行われていない時代よね。縄文人達はここでどんな暮らしをしていたのかしら。今と違い、彼ら縄文人達の狩猟生活を支えるに足る豊かな自然が広がっていたのは間違いなさそうだけど。
摂社が二社並び建ちますが、左側が話題 (^^; の門客人神社で、右側は大己貴命(大国主命)と少彦名命を祀る御嶽(みたけ)神社になるの。境内摂社の中ではこの門客人神社が本殿に一番近い位置に鎮座することから、一応は在地の神にも敬意を表していると云ったところかしら。その門客人神社と拝殿・本殿に挟まれて縄文遺跡があると云うのも面白い取り合わせよね。
7. 大宮公園 おおみやこうえん 13:54着 15:40発
氷川神社の拝観を終えても未だ時間の余裕がありましたので大宮公園へと足を延ばしてみたの。と云っても地続きなのですが。それもそのハズ、明治17年(1884)に氷川神社の社殿背後の境内地約16万坪が大宮市に寄附され、それが大宮公園の元になっているの。それが今では第二、第三公園が拡張され、その面積も約68haにも及ぶと云うの。But 余りにも広すぎてピンと来ないわね。今回は時間潰しにぶらりと立ち寄ってみただけですので、大宮公園の詳しい案内などは他のサイトを御参照下さいね。
自由広場の一角には樹齢120年のしだれ桜が植樹されていたの。大宮公園は明治18年(1885)埼玉県最初の公園として開園以来サクラの名所として親しまれ、現在では日本さくらの名所100選の一つとなっている。しかし大宮公園の顔と云えるサクラも老木が多くなりつつある。そこでこのシダレザクラは、樹木活性化事業の一環として、平成5年(1993)に今後もサクラを健康な姿で後世に残すべく、そのシンボルとして植えたものである−と案内されていましたが、桜に限らず、多くの緑が恙なく次世代へと継承されるよう願いたいものね。
自由広場を抜けたところにあるのが舟遊池。今では湖面にその姿を見ることもありませんが、その名からすると嘗てはボートを浮かべて遊ぶことも出来たのかも知れないわね。ここでは池畔に設けられたベンチで暫時の休憩タイム。街中にいることを忘れてしまいそうね。今回の散策もこれにて THE END よ。休みすぎてお家に帰るのが億劫にならない内に休み時間を切り上げて帰宅の途に・・・
8. JR大宮駅 おおみやえき
染谷しょうぶ園は余り知られていないからかしら、それとも単に訪ねたのが平日のことだったからかは分かりませんが、来園者は差程多くはなかったの。そのお陰でせき立てられることもなく、落ち着いて撮影出来るからでしょうね、園内には迷カメラマン (^^; の姿も多くあり、近くの保育園からは課外授業の園児達の来園があるなど、親しみやすい菖蒲園になっていたの。また、植えられている花菖蒲の一株一株には園主の方の想いが込められているしょうぶ園でもあり、ゆっくりとした時間の中で観賞されることをお勧めしますね。それでは、あなたの旅も素敵でありますように‥‥‥
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